クリーンな環境をつくるマニフェスト制度

マニフェスト制度とは、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託するときに、マニフェストに産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などを記入し、業者へ、産業廃棄物とともにマニフェストを渡し、処理の流れを確認するしくみです。
これにより、不適正な処理による環境汚染、社会問題となっている不法投棄を未然に防ぐことができます。

委託処理する産業廃棄物はマニフェストで管理することが法律で義務づけられています。

マニフェスト記入方法

マニフェストには、産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名、最終処分の場所などを記入します。具体的な記入方法を(社)全国産業廃棄物連合会が発行している7枚複写式の産業廃棄物管理票(マニフェスト)で見てみましょう。なお、産業廃棄物管理票は、各都道府県の産業廃棄物協会で購入できます。

交付年月日欄 マニフェストを交付した年月日を記入
交付担当者 交付した担当者が著名
排出事業者欄 排出事業者の名称・住所・電話番号を記入
排出事業場欄 産業廃棄物場所の名称・所在地・電話番号を記入
産業廃棄物欄 産業廃棄物の種類の該当する項目にチェックマークを入れ名称、数量、荷姿、処分方法などを記入
中間処理業者の記入欄 こちらの欄は記入不要
最終処分の場所欄 「委託契約書記載のとおり」をチェックするか、産業廃棄物が最終処分される処分場の名称・所在地・電話番号を記入
運搬受託者欄 産業廃棄物を運搬する業者の名称・住所・電話番号を記入
運搬先事業場欄 産業廃棄物が搬入される処分事業場の名称・所在地・電話番号を記入
処分受託者欄 産業廃棄物を処分する業者の名称・住所・電話番号を記入
収集運搬業者の記入欄 運転手が署名捺印
処分業者の記入欄 最終処分終了年月日、最終処分を行った場所などが記入されます。
照合確認書 B2票、D票、E票が返送されてきたら、それぞれのA票と照合確認し、その日付を記入

●記入が必要でない「空欄」には斜線を引いて下さい。

排出事業者の義務

マニフェスト制度には排出事業者が守らなければならない義務がいくつかあります。
この義務に違反した場合、罰則が適用されます。

委託基準を満たす義務

排出事業者が産業廃棄物の処理を業者に委託する場合は、満たさなければならない委託基準がいくつかあります。

  • 委託する業者とは直接、書面で契約を結ぶこと
  • 委託する業者は都道府県知事等の許可を受けていること
  • 委託する内容が業者の許可内容とあっていること
  • 業者が処理基準を満たしていること 等

マニフェストの交付義務

排出事業者が産業廃棄物の処理を業者に委託する場合は、マニフェストを交付することが義務づけられています。

  • マニフェストは産業廃棄物を処理業者に引き渡すときに交付します。
  • マニフェストは産業廃棄物の種類ごと行き先ごとに交付します。

マニフェストの保存義務

排出事業者はA票、B2票、D票、E票を、収集運搬業者はB1票、C2票を、 処分業者はC1票をそれぞれ5年間保存する義務があります。

マニフェストの確認義務

排出事業者は処理業者から返送されてくるマニフェストで、産業廃棄物が正しく処理されているか確認する義務があります。
マニフェストが決められた期日内に返送されてこない場合は、委託した廃棄物の状況を把握し、適切な措置を講じ、都道府県知事等に報告しなければなりません。
決められた期日とは、D票がマニフェスト交付日より90日以内、E票が180日以内です。

義務違反と罰則

排出事業者がマニフェストにかかわる義務に違反した場合は、罰則の適用を受けます。

委託基準違反 委託基準に違反した場合 5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金又はこの併科
マニフェスト不交付 マニフェストを交付しない場合 6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金
マニフェスト未記載 マニフェストに必要事項を記入しない場合 6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金
マニフェスト虚偽記載 マニフェストに虚偽の記載をした場合 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
マニフェスト保存義務違反 マニフェストの保存義務を違反した場合 6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金